第6回アジア 太平洋整形外科学会 脊椎 小児整形外科合同学会

千葉県こども病院整形外科
亀ヶ谷真琴

2005年11月24日から27日まで、台湾の台北市において第6回アジア・太平洋整形外科学会の中の脊椎・小児整形外科部門の合同学会が開催された。同学会は、APOAの中の脊椎部門と小児整形外科部門が3年おきに合同で行なうものであり、前回は2002年シンガポールにて開催された。

今学会のPresidentは、脊椎部門Chairmanの国立台湾大学整形外科のProf. Po-Quang Chenが、Co-Presidentとしては、小児部門Chairmanの福岡こども病院整形外科の藤井敏男先生が、まとめ役として骨を折られた。
会場は、台北市でもっとも歴史のある圓山大飯店(The Grand Hotel)にて行なわれ、学会前日24日夕刻からのwelcome partyでは、会を主催された台湾小児整形外科学会から歓迎の挨拶がされ、特に小児整形外科分野においてadvisorとして今回の開催に尽力されたNHRI (National Health Research Institute) のProf. Ken Kuoに対し感謝の弁がなされた。
また、APOAのspine sectionの新しいChairmanとして、我が日本小児整形外科学会の理事長でもある東北大学の国分正一教授が就任されたことが報告され、アジア各国の参加者全員から祝福を受けた。

翌25日から、Plenary Sessionを皮切りに3日間の本学会が始まった。
日本からは、京都大学名誉教授の山室隆夫先生がBioactive Ceramicsについて、九州大学名誉教授の杉岡洋一先生はペルテス病とSCFEのおける大腿骨前方回転骨切り術の経験について招待講演された。小児部門は、Symposiumが14題、Free paperが55題、Posterが35題の計104題が採用された。そのうち日本からの演題は、各々2, 8, 17 計27題であり、約1/4が日本からの演題であった。
Symposiumは、Limb Reconstruction, Future of Pediatric Orthopaedic Surgery, DDH Surveyが取り上げられ、各々のSymposiumは、アジア地区にとどまらず、各地区(北米、欧州)の小児整形外科学会を代表して、Prof. D, Aronsson, Prof. R. Loder, Prof. H. Bensahel, Prof. Grillなどが加わり、活発な論議がなされた。

26日の晩には、Banquetが盛大に催され、台湾の小学生による伝統的な音楽の演奏とともに、美味な中華料理に舌鼓を打った。

演題申し込みsiteの運営にトラブルがあり参加者には多少不便があったものの、台湾小児整形外科学会の努力により最終的にはよくまとまり、世界各国から著明な小児整形外科医も集い、非常に一体感を得たすばらしい学会であった。
また、この会において、かねてから予定していた台湾小児整形外科学会(TPOS)とJPOAとのallianceが正式に締結され、韓国小児整形外科学会(KPOS)とともに臨国同士の密な関係をより強化できるようになった。今後は、ともに力を合わせ、アジアのこどもたちの未来のために努力したい。

最後に、会の運営にあたった台湾小児整形外科学会(TPOS)のDr. Z.L. Lee, Prof. M. Lin, Dr. J.C.H. Chang他、たくさんのstaffに感謝し、印象記を終える。