5th International Clubfoot Congress

千葉県こども病院整形外科
亀ヶ谷真琴

本年8月27・28日の両日、第5回国際内反足学会がHonk Kongで開催された。本会は、過去3年おきに開催される国際整形・災害外科学会(SICOT)と同時に開催されてきた。Organizing Committeeとしては、毎回Prof. Henri Bensahel, Prof. Ken N. Kuo, Prof. Wallace Lehmanの3人により企画され、国際小児整形外科学会(International Federation of Pediatric Orthopaedic Society)の後援で行われている。

2日間にわたり、全世界から計58題(口演54、ポスター4)の発表があった。内容は、いわゆる先天性内反足に関する演題で、麻痺性を含む症候性の内反足は含まれていない。1日目は、先天性内反足の成因や疫学に関する発表があり、続いてPonseti法を中心とした保存的治療成績が発表された。保存的治療に関しては、現在Ponseti法が世界を席巻しつつあり、manipulationを主体としたFrench法とともに2大勢力となっていた。どの報告においても、以前保存治療後に必要とした手術治療の割合は、極端に低くなったことは事実である。しかし、必ずしも全例で解剖学的整復が得られるわけではなく、その点が今後最終成績にどのように影響してくるかは、非常に興味深い点である。2日目は、難治例や遺残変形に対する手術治療が中心であった。手術に関する発表も、Ponseti法後の遺残変形に対する前脛骨筋腱移行術に関するものが多く、腱のsplit transferかtotal transferか、またその手術時期などについて活発な討論があった。遺残変形のsessionでは、Ilizarov法を用いた矯正の報告が4題見られた。日本からの演題は、千葉大学整形外科の見目智紀先生による、術後成績と運動能力についての発表だけであった。

いまや、先天性内反足に限らず、どんな内反足でもPonseti法で解決できるとさえ言われている。今回の発表を見ても、以前は主流であった距骨下全周解離術などの発表は皆無であった。従来から、綿々として内反足治療に携わってきた我々にとっては、隔世の感がある。今後、この流れがどう変わっていくのか、興味深いところである。