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赤ちゃん、こどもの首が傾いている?

斜頚ってなに?
赤ちゃん(出生後~1歳頃)に見られる斜頚
幼児期~学童期に見られる斜頚
まとめ
更新日
2025年9月18日
監修

山口徹 きよみず整形外科クリニック 整形外科
大島洋平 東鷲宮病院 / 埼玉県立小児医療センター 整形外科

山口 徹/大島 洋平

斜頚ってなに?

原因は様々あるけど、首が傾いている状態や顔が横を向いている状態を“斜頚”と呼びます。

赤ちゃん(出生後~1歳頃)に見られる斜頚

筋性斜頚

首の筋肉にしこりができて、筋肉が伸びにくくなって斜頚になるもの。
生後2~4週間で症状(首のしこり・斜頸)が徐々に目立ってくる
その後、徐々に小さくなり9割は生後6ヶ月ごろまでに自然消失する

1歳までにしこりはなくなりますが、約10%の患者さんで筋肉が硬くなり、徐々に頚の傾きと動きに制限が出てきます。
→そのような患者さんには手術が選択されることがあります。

 

眼性斜頚

斜視など、眼が原因で首が傾いてしまうもの
定頚(首がすわる)以降にわかることが多い
→疑わしい場合は、眼科に診てもらいます

骨性斜頚

生まれつき頚の骨に異常があって首が傾いているもの
→X線やCTでチェックします

幼児期~学童期に見られる斜頚

環軸椎回施位固定

斜頚の状態が長く続くことで、第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)が回ったまま固定した状態。
原因
①外力 ②炎症性斜頚 ③不明

●初期治療がとても大切!
●初期治療は安静・カラー固定
●発症後7日以降に改善が無い場合は牽引治療を開始することが望ましい
●重症例だと手術になることも

第1頸椎(白矢印)と第2頸椎(黒矢印)が回旋した状態で固定している(左画像)

炎症性斜頚

首のまわりに炎症を起こし、発熱や痛みがあり、斜頚になるもの。

理由は様々!
●リンパ節が腫れる
●細菌感染
●頚周囲の手術後に起こるもの

そんな時はどうする?
原因を診断・治療(小児科や耳鼻科など)が最優先。
元の病気が改善しても、斜頚が改善しない場合は整形外科の受診をしましょう。
特に斜頚発生1週間を過ぎても改善が無い場合は早めの受診を!

 

 

 

赤ちゃんの斜頚が残っているもの

先に紹介した赤ちゃんの斜頚が、治療されなかったり、治療しても治らなかったり、気づかれなかったために、幼児期以降も残っているもの

※代表的なものを挙げています。その他にも様々原因はあるとされています。

まとめ

赤ちゃんの斜頚、幼児期~学童期に見られる斜頚について代表的な疾患や原因を解説しました。慣れているお医者さんでも判断が難しいこともあります。
まずは最寄りの整形外科か、日本小児整形外科学会の会員が勤務している医療機関を受診してみましょう。

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