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こどもの跛行(はこう)って?

脚をひきずるように歩くこと

1.跛行って?
2.単純性股関節炎
3.大腿骨頭すべり症
4.レントゲン
5.若年性特発性関節炎
6.よちよち歩き骨折
更新日
2025年9月18日
監修

戸澤興治 うちのう整形外科
橘田綾菜 東京都立小児総合医療センター 整形外科

戸澤 興治/橘田 綾菜

跛行って?

何らかの障害により、正常な歩行ができない状態を指します。

かばうように歩いたり、足をひきずったりする異常歩行のことです。

単純性股関節炎

左の単純性股関節炎の患者です。
左脚を開くようにして歩いています。



突然、股関節やふともも、膝に痛みが出ます。
「股関節の風邪」とも言われ、自然に治ります。
関節に水が溜まっているのがよく見える、エコー検査が診断の役に立ちます。

4~6歳頃に発症することが多いといわれています。


単純性股関節炎に似ているが、 注意が必要なもの


大腿骨頭が潰れる「ペルテス病」
症状が長引く場合は注意が必要です。


股関節に膿が溜まる「化膿性股関節炎」
高熱や、強い痛みがある場合には注意が必要です。

(写真)黄色く濁った関節液

大腿骨頭すべり症

左の大腿骨頭すべり症の患者です。
左はいわゆるガニマタ、つま先を外に向けて歩いています。
足をつくときに、左肩が下がっています。



骨の成長線のところ(矢印)で大腿骨頭がずれることで痛みや跛行の原因となります。
股関節ではなく太ももや膝が痛いことがあります。
レントゲンが診断の役に立ちます。
男児は11~14歳、女児は10~12歳頃に多いといわれています。
肥満や過度のスポーツ活動が原因となることが多いです.

レントゲン

若年性特発性関節炎

両側膝関節炎の患者です。

歩幅が広く、足取りが重い「なんだか変」な歩き方で受診しました。

関節の腫れや痛み、 跛行といった症状がみられます。

採血、エコー検査やレントゲン、 MRIが診断の役に立ちます。お薬の治療が必要で、関節炎が強い場合は、手術をすることもあります。

16歳より前に発症します。

よちよち歩き骨折

1、2歳児が急に歩かなくなったり、跛行がみられたらすねの骨が折れている可能性があります。

転倒・転落などの原因は、はっきりしません。

症状が出てすぐにはレントゲンで異常がわかりません。

最後に

歩き方だけでは診断がつきません。

こどもの跛行の原因となる脚の病気やケガは、他にも色々あります。

治療や手術が必要な病気もあります。

心配なことがあれば、お医者さんに相談しましょう。

よくある質問