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赤ちゃんは教えてくれない!?

1.言葉の整理
2.発育性股関節形成不全の3つの状態
3.危険因子
4.気づくには?
5.検査方法
6.治療法
更新日
2025年9月18日
監修

千葉県こども病院 整形外科

柿崎 潤

1.言葉の整理

先天性股関節脱臼とは?

赤ちゃんの股関節脱臼は、以前は先天性股関節脱臼と呼ばれていました。近年、生まれた後にも脱臼することがわかり名称が変わりました。
現在は、発育性股関節形成不全という名称に。

 

発育性股関節形成不全

股関節が外れていたり、大腿骨頭が臼蓋から出たり入ったりする場合は治療が必要です。
1000出生あたり2~3人の頻度で発生します。

丸い大腿骨頭が、器である骨盤の臼蓋におさまっているのが正常です。
発育性股関節形成不全は以下の3つの状態があります。
①脱臼 ②亜脱臼 ③臼蓋形成不全

2.発育性股関節形成不全の3つの状態

①脱臼

大腿骨頭が臼蓋から外れている状態

②亜脱臼

大腿骨頭が臼蓋から外れかけている状態。

 

③臼蓋形成不全

股関節の器側である骨盤の臼蓋が浅く小さい状態。

3.危険因子

下記のようなお子さんは、脱臼の危険性が高くなることが知られています。

●家族歴
血縁者に先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全がいる。
股関節の人工関節の手術を受けている人がいる。
●女児
●冬生まれ
●逆子(骨盤位)

※これらが該当しない脱臼もあります。

4.気づくには?

赤ちゃんの発育性股関節形成不全は自覚症状がありません。
→脱臼をしていても、痛くない!

ご家族や小児科の先生など、大人が気付くしかありません。
下記の項目などを気付かれ、発見されることが有ります。

●股関節の開きが硬い
●太ももやお尻のしわの左右差
●脚の長さがちかう
●歩き方がおかしい
歩き始めてから発見されることもあるよ!

5.検査方法

発育性股関節形成不全を診断するための検査方法にはエコー(超音波)とレントゲンがあります。

※どちらで診断するかは、クリニックや病院で異なります。

6.治療法

治療法には様々あります。
上記のような生活指導や装具治療、牽引治療などから始めることが多いです。
これらの治療で脱臼を治せない場合は、手術になることが多いです。

脱臼の状態、赤ちゃんの年齢、ご家族の環境など、色々なことを加味して、担当の先生としっかり相談して決めましょう。

繰り返しになりますが、、、
赤ちゃんの股関節脱臼は自覚症状はありません。
危険因子や上記の項目などを参考に気になることや心配なことがあれば、かかりつけの小児科の先生や、小児整形外科の先生に相談しましょう。

 

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