2008年 SICOT/IFPOS 学会報告

福岡市立こども病院・感染症センター
藤井敏男

2008年8月24日~28日に香港Convention and Exhibition Centreで第24回SICOT学会が開催され、小児部門はIFPOSの下に運営された。学会本体のCongress Chaimanは香港大学Keith Luk教授で、小児部門は香港大学の小児整形主任のWang Chow先生が担当した。Chow先生はDuchess of Kent Children’s Hospitalも兼任している新進気鋭の小児整形外科医である。

前回2005年にイスタンブールで開催されたSICOT学会から、小児部門はspeciality dayとしてIFPOSが学会プログラムの設定・運営を行っており、今回がその2回目であった。イスタンブール学会では小児部門は1日間であったが、今回は主題設定をIFPOSとAPOA・Pediatric Sectionが協力して行いアジア地区に適した主題を選定した結果、応募演題数が多く、会期を8月25日、26日の2日間とした。

主題は、肘周辺骨折、下肢屈曲/回旋変形、先天性股関節脱臼、側弯/後側弯、脳性まひ、感染症であった。尚、藤井がCourse LecutureとしてDDH ; Various pelvic osteotomies for DDH children who have open triradiate cartilageを担当した。

それぞれの発表には世界中の各国の社会背景や医療事情が反映されているものが多く、かなりバリエーションが見られたが、日本を含めた先進国内では見られない病態は興味深いものがあった。小児部門の出席者は約200名であった。
SICOTの学会開催は3年毎であるが、今後ともIFPOSが運営の主体を担うため一貫した学会運営体制が取れると考えられ、それにJPOAもAPOA・Pediatric Sectionの一員として積極的に参加することで日本からの情報発信がさらに活性化すると思われるので、今後も国際委員会を中心としてIFPOSと密接に連携することが望ましい。